今村天主堂



今村天主堂は、稲作が行われている筑紫平野の真っ只中、今村という集落に建っています。今村は隠れキリシタンの里でした。周りは典型的な平野部の稲作地帯ですので「隠れ」という言葉がまったく似合わない見渡しの良さです。この隠し事が筒抜けてしまいそうな場所で、200年以上孤立しても信仰を守り抜いたそうです。(長崎などは、互いの地域で交流があったらしいです。)



平凡な集落の中に建つ天主堂のスケールはインパクトがあります。それは、禁教が解かれても残る偏見を、立派な教会を建てることで払拭しようと発起し、完成させた経緯があるからだそうです。赤レンガで覆われた壁面の質感、さし色的に使われた白い石のアーチ、八角形の二つの塔が作る立体感が表情を豊かにします。石とレンガと瓦のどっしりとした重厚感と天に伸びる二つのラインは威厳が漂います。

設計は鉄川与助。彼は長崎を中心に多くの教会を残しています。今村天主堂を立てたのは30代前半だったそうで、尊敬します。

窓はフランス製のステンドグラスなのですが、訪れた時は残念ながら曇りでした。


見学は自由ですが、中は撮影できません。
現役の教会ですので、見学の際は行事の日程にご注意ください。



駐車場が分からず、天主堂の前の個人商店でお尋ねしたら、親切に教えてくれたおばちゃん。その後も入り口が分からずオロオロしていたら、遠くから「(入り口は)左よ~」と声をかけてくれてありがとう。「せっかく来たのに曇りで残念だね」と心配してくれたけど、帰りには太陽が少し差し込んでくれましたよ。

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